正座で20分

 
 

三千里

 和服用の足袋と襟芯が必要になったので、まあ別に反物買うわけじゃないし、それくらいの物はどこにでもあるだろう、ちょっくら行ってきます、と寝起きの身体で気軽に近くのショッピングモールに出かけたら、「申し訳ありませんそういった物は置いていませんちなみにゆうちょ銀行のATMはあちらです」って、まあATMについては私がついでに訊いたんだけども、それにしても仮にも民族衣装に関わる物がなくて舶来用語の機械は常設されているとはどういう了見だと突如愛国化しつつ、仕方なくもう少し離れた場所のショッピングセンターへ赴くと、今度はきれいな若いお姉さんが異様に長いお辞儀をした後に「以前は呉服店がテナントとして入っていたのですが現在は退店してしまいました申し訳ありません本当に残念です」と私の心の声を代弁するかのように残念がってくれたので、それはそれでよしとして、しかし足袋は足袋としてやはり必要であるから、さらに別のショッピングビルを訪ねたところ今度は入口の案内板に堂々「6階 和服」の文字が! いやもうそうよそうこなくっちゃついでにあれか帯揚げも買うか帯締めもかていうか「和服」などという立派な肩書のナニでなくともいいんですけど三足千円くらいので構わないんですけど、と色めき立ったり謙遜したりしつつ傍らのエレベーターに乗り込もうとしたところ、今度はそこに燦然と輝く「6階改装中につき6階には止まりません」の文字が! 何よこれ。私が悪いの? 私のせいなの? もしかすると前世で意地悪な姑の足袋のコハゼに塩水かけて錆させたからなの? などと覚えのない過去の罪を悔い、打ちひしがれ、さらに先刻このビルの地下駐車場に車を入れようとした際、入口で機械の人が「矢印の通りにお進み下さい」というので素直に進んだらばそのまま出口にたどり着いちゃって結局駐車場一周しただけで再び外に出ざるを得なくなった、という精神的疲労も相まってぐったりし、しかしやはり足袋は足袋で(略)とさまよっているうちに、いつのまにか二百万都市の中心部にまで到達しており、颯爽とした紳士淑女や速足で歩くビジネスマンやおしゃれな若者に囲まれ、寝起きのスッピン御近所用のサンダル・ほいと袋(北海道弁)姿で呆然と立っている自分に気づいた時には、この時期山から目の前のエサを必死に求めているうちに少しずつ少しずつ里へ下りてきて、はっと我に返った時には都会の真ん中、退くに退けぬ事態の中パニック起こして国道横切るクマやシカの気持ちが大変よくわかったことです。撃たないで。
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心のふるさとだもの その3

 なぜ人は頭に手ぬぐいをかぶるのか8月31日(月)
一泊二日ウニツアーのなぜか3日目。人生の楽しみは最後の一滴までストローでちゅうちゅう吸いつくすように味わうという信念に基づき、札幌に一泊したAび・Mゆ夫婦とまだまだ遊ぶ。が、もちろん私も野暮ではないので、二人の「北の国での延泊イチャイチャ」を邪魔してはいけないのではないかと躊躇したのだが、「実は私たちは仮面夫婦で二人きりの時は目を合わせる時もなく、会話といえば罵りの言葉だけ。Aび君は私を置いて若い女の子と遊びに行って熱中症になるようなヤツで、今朝もホテルの部屋で水をかけあうような大喧嘩をしたばかりなのです。このまま二人でいると東京に帰るまでにどんな事態になるやしれません。どうか一緒にお昼を食べてください」とMゆちゃんが言うので(大嘘だけど)(でも若い女の子と遊びに行って熱中症はホントらしいけど)、三人でスープカレーを食すことにする。

 それにしても電話でのAび君の声。あれはいつも記憶より低くて驚く。映画の寅さん、あのテーマ曲の出だしの音がいつも記憶より高い不思議は私の中では有名だが、それの逆バージョンであると思ってもらってかまわない。「低いよ低いよ、Aび君の声は低いよ」と、かなりの低音を想像して電話をかけるのに、それより必ず低い。驚く。もしかしたらあれは本当に毎回少しずつ低くなっているのではないか。彼と初めて会ったのは7年ほど前らしいが(覚えてない)、もしかするとその時はジャパネットたかたの社長くらい声が高かったのではないか。それが電話のたびに徐々に低くなり、やがては人間の耳では聞こえない域かなんかに達するのではないか……などと脅えながら待ち合わせ場所に。実際に会うとそれほど声は低くはない。よくわからないが、そのあたりの何かでうまくバランスをとっているのか。


 しかしここ読んでる人はいるのだろうか前日にHマダさんから教えてもらっていたらしい(しかしホントあの人ぬかりないな)店へ徒歩で向かう。本当は私が車で駆けつけ、昼食をおごり、観光もかねてあちこち案内し、最後は空港へ送り届けるという案も浮かんでいたのだが、「なんかスープカレー屋の駐車場とかよくわかんねーし」という個人的事情でもって断念。仲良く歩いて昼食。Aび君はマトンのカレーでMゆちゃんがチキンのカレー、そして私はチキンとビール。いや、だって、ほら、車で来なかったから……。最後に「もうほとんど残ってないけど鶏も食べてみる?」と言って、本当にほとんど残ってないカレーを夫に差し出したMゆちゃんに仮面じゃない夫婦の愛を見る。

 その日は折りしも内地に台風接近。今夜の飛行機は無事に飛ぶのだろうかと心配になったが、Mゆちゃんは全然平気な様子。なぜなら「台風は夜は来ないから」という理由。え? 夜は来ないの? 「来ないですよ、夜は」。じゃあ、夜の間はどうしてるの? 「海の方に行ってるんですよ」。う、海? 「そうですそうです、海の方で休んでるんです、夜は」。ええー? じゃあ昼は? 「昼は陸地ですよ、決まってるじゃないですか」。そ、そうか、決まってるなら安心ですね。以前、Nごちゃんの家に皆で泊まった時、明け方ムクリと起き上がり「二日酔いでものすごく具合が悪くて吐きそうなので帰ります!」と宣言して電車でおそらくは一時間以上をかけて家に帰ったのを見た時も、「具合が悪いならこのまま寝てれば……?」と彼女の独自の理論に胸を打たれたものだが、やはり存在したのかMゆ理論。思えばこの日の朝食もホテルのパンを5個食べては満腹を嘆きつつ、「5個じゃないですよ! 見た目は5個だけどギューっと縮めれば3個分くらいですから!」という独自理論を展開していたのだった。只者ではないと思う。

 マムシだって生きている!昼食後は「働くY嬢の姿が見たい!」というリクエストに応えて、いそいそと某書店へ。Y嬢はウニツアーの疲れもまったく見せずテキパキと勤務中(気を遣っております)であったが、私の姿を見つけたとたん猛スピードで寄ってきて「あのね! 制服のスカートのホックがしまらないの! ウニ前まではしまったのに!」と笑顔で告げる。いい笑顔。ちなみにMゆちゃんは、参加前にはぐるりと回った腕時計のベルトが今朝はついに回らなくなっており、私は私でウニ中「あんたが体脂肪率40%なんて絶対変だって(40%なんです、ほっといて。慰めとかいらないから)! そんなにあるはずないって(見た目はわりかし細いんです、嘘じゃないんです)! 帰ったらもう一回はかってみなって!」と言われてその気になって計測したら、やっぱりきっちり40%で、でも増えてはいなかったから三人の中では私が勝ち。って何の勝負だ。

  札幌まで来て本を8冊も買ったAび・Mゆペアに驚きつつ、駅方面へ。Jろー社へ寄ってみるも残念ながらKパパーゲ氏には会えず、そのまま駅で二人とお別れ。さようなら。これで本当に「心のふるさとだもの積丹ウニツアー2009」終了。ありがとうございました。飛行機は無事飛んだそうなので、Mゆ理論は正しいとみた。




 というわけで、長々とおつきあいいただいたウニ日記もこれで終わりです。
 参加者のみなさま、そして酒も飲まずに長時間運転してくれたドライバーの方々(しかも家まで送ってもらっちゃったよ!)、さらには日々進化を遂げるスーパー幹事Hマダさん、本当にありがとうございました。Hマダさんは以前、そのあまりの準備のよさと気の利きように、「もうさ、秘書とかマネージャーとか、いっそそういう仕事に就いたら?」と勧めた私に、「えー、これは楽しくてやってるだけで、仕事だったら嫌ですよー」と答えて、「楽しいのかああああ!」と私を驚かせたツワモノですが、しかしそろそろ楽しくない域に入りつつあるのではないかと不安になりながらも、でももし確かめて「楽しくない」と言われたら嫌なので確かめないのが大人の処世術。どう見てもピントはお椀

 それからいつもいつもたくさんのお土産、ありがとうございます。でも100回言ったと思うけど、もう1回言わせて。わたし、きちー嫌いなの!!!! 最近、なんかいらん知恵ついて、名前(もちろん本名ですよみなさん)入りのきちーを買ってきてくれる方々が増えましたが、どうすればいいのあれ。さっきも姪に名前入りのスプーンを押しつけようとしたら、「これ、あば(私のことです)のお名前が書いてあるんでしょ。あばのお名前のヤツはあばが持ってないとダメでしょや(超北海道弁ネイティブ5歳児)」と断られました。あー、ほんと途方に暮れる。いっそここで本名公開して同名の方にもらっていただこうかしら。そうした方がきちーも本望ではないかしら。よし。求む、きちー好き「り×」ちゃん(まだ勇気なし)。

 いずれにせよ今年も思いのほかたくさんのご参加をいただき、言いだしっぺとしては感激であります。とても楽しかったので、これに懲りずにまた遊んでください。そしてこれを読んでるそこのあなた! 来年こそはぜひ一緒に「人は一体どこまで食べ続けることができるかツアー(とうとう名前変わった)」に!
 
 
 
   21:17 | Comment:10 | Trackback:0 | Top
 
 

心のふるさとだもの その2

 ザルウニ
18:30、夕食開始。去年は出てくる料理を律儀にすべて食べつくそうとして失敗、満腹の刑で存分にウニを堪能できなかったのだが、今年はぬかりなし。まずはウニ。ザルウニ。とにかくウニ。ザルウニ。なんせウニ。ザルウニ。という姿勢を貫くことによって悲劇を回避する。しかし、D部期待のホープであるY嬢はそんな私の軟弱な姿勢をあざ笑うかのように次々と料理をたいらげ、さらに次の料理が出てくるのが待ちきれなくて居眠りまで始める実力。やはり彼女は本物だ。当然のように未だ空席になっているD部部長に推されるが、なぜか本人は固辞。昼に鶏の半身揚げをきれいに食べ、私が差し出した胸肉も(文句言いつつ)食べ、もらった唐揚げも食べ、さらにその残りを道歩きながら食べ、ついでになんか甘いもんも食べ、あげく夕飯までたいらげた人間が断るD部部長の座。それは一体どれほどの高みにあるものなのだろうか。


 ブラジャー祭夕食後は離れに戻って本格宴会。
 ・食べる。
 ・飲む。
 ・一度は参加の申し込みをしたものの、仕事の都合でキャンセルしたMぐらさんに「せめて写真だけでも」とウニ写真を送る。
 ・「心乱れるから、もう送ってこないで!」とすぐさま断られる。
 ・一度は参加の意思を見せたものの、諸般の事情で来られなかったMっちにも宴会の様子を送って「来年はぜひ」と誘う。
 ・その宴会風景の何かが彼女の心をとらえたのか、「やっぱ無理っす!」とすぐさま断られる。
 ・一年で25キロ痩せたというYミちゃんがダイエットのコツを伝授する。さまざまな質問が飛ぶなか、なぜか沈黙するD部部員。不思議に思っていると、後に部員のYマシタ(姉)により「だってね、D部の部員はイヤっちゅうほどダイエットのことなんて知ってるの! 研究に研究を重ねて、それでも痩せられないからD部なの! 今さら質問などないの!」という真相が明らかに。首がもげるほどうなずきつつ納得。
 ・Yミちゃんが25キロ太っていた頃の写真を見る。「うわっ」「こ、これは……」「どうしてこんなことに」などと初対面の人々から驚きの声があがるなか、「なんだ、いつものYミちゃんじゃん」と密かに思っていたことは内緒。それにしても人は思いのほか伸び縮みする。もうどうしたもんだか

 ・予定外の、第一回ブラジャー祭開催。秘祭ゆえ詳細は伏せるが、写真にて内容を想像されたい。そしてその想像の20倍は激しい肉弾戦の祭であると想像されたい。第二回開催は未定だが、御神体を運ぶMゆちゃんと祭主であるYマシタ(姉)の参加があれば、再び人々はブラジャーの前にひれ伏すことになるであろう。ていうか、こんな写真送ってこられたら「やっぱ無理っす!」って言うよな普通。
 ・ブラジャー祭開催の間、独身男性Sんさんは、どうにもいたたまれない風情。彼は去年の初参加の際、「新人査問委員会」と称して、年上のおばちゃんたちに取り囲まれ、過去の女性体験を根ほり葉ほり訊かれ、一つ一つバカ正直に答えたばかりにダメ出しされ、「工夫が足りない」「ありがちな恋愛」とまで酷評され、おそらくは女性に対して夢を失ってしまったにもかかわらず、今年も参加したという貴重な人材。なのに今年はまさかのブラジャー祭! 神様、これ以上Sさんを苦しませないで!
 ・が、そのSさんについて、「Sさんは去年よりリラックスしてたよ」「去年より饒舌だったよ」「去年より笑ったよ」「Sさんはかぷかぷ笑ったよ(C)宮沢賢治」という報告が各所より届く。「やっぱ我々の蛮勇の中にも女性の神性とでもいうべき美しさを見出したんじゃない?」。いいえ、たぶん何かを決定的に諦めたんだと思います。ダメな大人

 ・それにしても相変わらず怖い宿のトイレ。できれば一度もトイレに行かずに家に帰りたいが、まさかそういうわけにも行かず、心を無にしてトイレに通う。その最中、おそらくはNごちゃんのいたずらでドアがガタガタいったり壁がドンドンいったりするが、ヘタに騒ぐと調子に乗って毎回そのようなことをするのは目に見えているので、心を石のようにして無視。トイレを出たあと、Nごちゃんの胸倉つかんで「あんたでしょ! わかってんだからね! こういう小学生男子みたいなことをするのはあんたでしょ!」と糾弾しようかとも思ったが、もしNごちゃんではなく、さらに誰でもなかったら余計に怖いので、心を石のようにして我慢。ウニツアーでは精神も強くなる。
 ・深夜、高校時代の友人、Kミエちゃんのドキドキ人妻ライフを聞く。「●の●●と●●したら、思いのほか●●●●でうっとり●●、もしかしたら●●●●●●●。●●していったものが●●だというのも、●●かも。このまま●●●●●二度と後戻りは●●●●」。ああ、なんということ! 詳細が知りたい方は来年のウニツアーへ!
 ・刀折れ、矢尽きるように就寝。


8月30日(日)魔法の宿

 それぞれの携帯電話のアラームが、それぞれの日頃の起床時間を教えてくれるウニツアーの朝。みんな案外早起きね。朝の光の中、Cちゃんが「私の中のオヤジが目覚める時刻。この歯ブラシを口の中に入れた瞬間、それは始まる」と言いつつ、歯磨きで思い切りえずく。おお! まごうことなきオヤジ! このCちゃん(念のために申し添えるならば女性です)のオヤジっぷりを目の当たりにしたSさんが、Iナミアニキ(念のために申し添えるならば女性です)に「いやあ、Iナミさんはまだまだ大丈夫ですよ。Cちゃんから見たら全然女っぽいですよ」とフォローしていたことが後に判明。Sんさん、アニキを日頃どんな目で見ていたのか図らずも露呈する、の巻。

 朝食はバイキング。これがまた旨いのだが、ここでうっかり食べ過ぎると、昼のウニ丼に響くことは過去の経験から明らかなので自重する。が、そんな私をあざ笑うかのようにYマシタ(姉)が強気な食べっぷりを披露。屈伸運動もかくやという軽快な動きでせっせと料理を持ってきては食す姿に、攻めの人生の大切さを学ぶ。

ここをのぼりおり


 食後から出発までは敷き詰めた布団の上で、ダメな大人が激しくダラダラする。寝転がって歯を磨く者あり(Hマダさん)、「もよおす」ということについて人体の不思議を語る者あり(本人の名誉のため敢えて名を秘す)、Mゆちゃんにメイクを施される者(Nごちゃん・Cちゃん)あり。そのメイクについては「えー自分と同じにやってるんですよー」というMゆちゃんの訴えにもかかわらず、二人の顔を見たYマシタ(妹)が「うわっ」と叫び、Iナミアニキが「具合悪いの……?」と尋ね、さらには「な、なんでここにショッカーが?」などという質問が飛び交ったことで、衝撃の大きさがわかっていただけると思う。でもたぶん見慣れていないだけだったので、見慣れるとかわいかったですよ(フォロー)。ぐったりとするサイ女

 やってきた時と同じように、何もしないうちに布団がたたまれ、食器が洗われ、ゴミが分別されるという魔法の宿を後にして、積丹岬へ。展望台からはるか下に見える海岸まで調子の乗って下りたはいいが、人生の摂理として下りた後は上らねばならない。後悔という言葉の意味をかみしめながら、なんとか上りきったはいいが、疲れたとか膝が笑うとかいうのとはまったく次元の違う具合の悪さが私を襲う。ふと気づくとCちゃんも同じような気分の悪さを訴えており、おまけに顔が緑(ってこれは例のメイクのせいだが)。一体、私とCちゃんの何が他の人と違うというの?(答え:昨日の朝および昼から酒を飲んでいる。さらに今日の朝から酒を飲んでいる。ていうか恒常的に酒を飲んでいる。あと中年)

 なんとか体制を立て直して昼食へ。ビールとともにバフンウニ丼を存分に食した後、余市の道の駅へ向かう。そこでさらにアップルパイやソフトクリームやイモモチ。「みんなで楽しくウニを食べよう!」というところから「人は一体どこまで食べ続けることができるのか」というあたりに、主旨が変容しつつあることをひしひしと感じる。敢えて問う。我々は集団で人生の行き先を見失ってはいないか。誰じゃ

 集合写真を撮影後、いよいよ札幌に戻る。北海道マラソンによる交通規制を避けるため、互いの知識と地図を総動員してルートを探る運転手あAニキとHマダさん。それを見守るKミエちゃんとYミちゃん。そんなすべては遠い世界の出来事ね、と乗った瞬間から爆睡する私とY嬢。人は何かを手放すと楽に生きられる。もうすぐ札幌駅につくというあたりでYマシタ号の(姉)から電話があり、どうやら交通規制のせいで壮大に狐に化かされてる模様。「あ、ミソマルちゃん、今どこ? 着いた?」「もうすぐ着くところ」「こっちは規制で全然駅に近づけなくてさ」「うん」「どの道通って行ったの?」「え? うーん」「こっちは××(よくわからない)を通って、××(全然わからない)に出ようとしたんだけど」「うん」「行けなくて」「うん」「××(さっぱりわからない)なら通れる?」「うーん」「それとも××(もちろんわからない)?」「さあねえ」「……あんたいいから誰かわかる人にかわって」。人は何かを手放すとさらに別の何かも手放さねばならない。


 駅ではKミエちゃん、Yミちゃん、そして九州代表・M森さんとお別れ。M森さんは到着時、結構な大荷物だったのだが、今は隣町からやってきたような軽装に。ああ、そうね、あの大荷物はお土産だったのね。本当にありがとう。で、いただいた物の中にあった「ゆずすこ」、初めて見る物で口にするのが楽しみなんですが、説明書のおじさんがちょっぴし怖いです。これ誰ですか。あんたらいつのまに

 その後、NごちゃんとCちゃんの電車の時間まで、合流したKパパーゲ氏を交えて反省会。ええそうです、まだ飲みます。ただしこのあたりは酔っぱらっていて記憶が定かではないので、あまり報告すべきことはなく、「このまま帰ったら旦那がショッカーだと思って家にいれてくれないかも」と、NごちゃんとCちゃんが化粧を落としていたことをぼんやり覚えているくらい。ああ、そうだ。朝起きたら、選ばれし者の印として爪に描かれていた顔をY嬢と見比べもした。どちらもほんのりと笑顔。何に選ばれたのかは不明。

(なんと驚けまだつづく)
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